JPA 一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟

世界パラ陸上競技選手権・選手コメント(8日目)

 今大会出場選手最高年齢の大井利江選手(68歳・北海道・東北パラ陸上競技協会)が砲丸投げ(F53)に出場、6m46の記録で6位入賞を果たしました。円盤投げで2004年アテネパラリンピックで銀、08年北京パラリンピックで銅メダルを獲得、砲丸投げに転向して2大会連続世界パラ陸上に出場したレジェンドは競技終了後「シーズンベストを出せなくて残念、反省ばかりです。練習とパワーが足らないね」と話しました。岩手の自宅で応援している奥さんには「自己ベストが出なかったから怒られるかな・・・帰れないね」と笑顔で話しました。「生涯現役」を常々話す大井選手には他国の選手も尊敬のまなざしで声をかけてきます。「2020年の東京で会いましょう」と話していると大井選手は2020年東京パラリンピック出場にまだまだ意欲を見せていました。




 男子200m(T47)予選2組目に出場した多川知希選手(AC・KITA)は、スタートよく飛び出しましたが後半伸びず、23秒33のタイムで決勝進出はなりませんでした。多川選手は、「23秒33はだいぶ遅いですね。持ちタイムは決勝にいけないタイムではなかったので、悔しいです。前半はよかったですが、後半伸ばすことができませんでした。狙ったレースに合わせるのは難しいなと感じました。」と話しました。残りの種目は、リレーとなっており、「個人種目はこれで終わりましたが、リレーでは3走を走ります。アメリカチームは抜けていますが、ドイツ、イタリアなどといい勝負ができるかなと思っています。」と抱負を話しました。




男子800m(T20)予選に山内祐介選手(SRC)、上村勇貴選手(日本知的障がい者陸上競技連盟)、本田昴佑選手(十条SC)の3選手が出場、上村選手が、2分00秒63、山内選手がシーズンベストの2分02秒21で決勝進出を果たしました。本田選手は、残念ながら2分06秒72のタイムで決勝進出を逃しました。

上村選手は「決勝進出が決まって、ほっとしています。決勝では、予選よりもタイムを上げたいです。」山内選手は「最初は緊張して予選落ちするかと思いましたが、進出することができてよかったです。(スタートのやり直しがあるたびに、)何度も深呼吸をしたりしました。予選通過だけを考えて走りました。決勝では全力をだしきって走りたいと思います。」と意気込みを話しました。本田選手は「スタートはよかったのですが、ラストは落ちてしまいました。悔しいですが、日本に帰って8月には、日本ID選手権があるので、もう一度、2分以内で走ることを目標にします。」と残念そうに話しました。




男子走り幅跳び(T37)に出戸端 望選手(山口障害者陸上クラブstep)が出場、5m60の結果で7位でした。本人が話す通り順調に調整できたようで1回目でシーズンベストとなる5m60の跳躍でメダルの期待が高まりましたが残念な結果でした。「目標は、6m、メダル獲得でしたから悔しいの一言です。銅メダルが5m95でしたからね。今大会は幅跳びのみエントリーでいい調整ができていただけに残念です。集中力が少し欠けていたかもしれない」と最後まで悔しそうに話していました。




 男子800m(T54)決勝は、鈴木朋樹選手(トヨタ自動車)が1分39秒64で5位の結果でした。この競技、大会4日目に行われ鈴木選手は4位でしたが、他国同士の接触転倒などがあり、再レースとなっていました。再レース確定後、鈴木選手は「世界トップと再度走れるチャンスだと思ってしっかり勉強してきます」と話していました。マルセル・フグ選手(スイス)やタイ、中国の世界トップ選手が集結した決勝は「800mの再レースでの決勝は、ラストラップは3位に食い込めるのではないかと思ったが、やっぱりスイスのマルセルや前を走っていた中国選手の加速に反応できなかったところがあった。たとえば、ラスト直線に入って、前と間が空いたと思いますが、加速に反応できなかったわけではないのですが、その体力がなかった。」と分析しました。

撮影:越智貴雄

ただ、「再レースとなり3本目を走れたことは、他の選手よりも多くの経験を積むことができたということ。今後の世界大会にきっといきてくると思います。元のレースでは、クラッシュがあったので最後の200mでは何もできずに不完全燃焼に終わりましたが、今回はスタートからゴールまで自分の本当の実力が出せたのかなと思うし、自分に足りないところも見えたレースになりました。課題としては特にスタートでのスプリント力の弱さを痛感したので、今後は100mや400mにも出場して強化し、中長距離レースに活かしていきたいです。」と今大会の貴重な経験を活かす事を誓いました。

協力:星野恭子

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