JPA 一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟

世界パラ陸上競技選手権・選手コメント(6日目)

 女子400m(T53)決勝に中山和美選手(アクセンチュア)が出場、1分00秒62のタイムで6位入賞を果たしました。「リオでは決勝に残れず悔しい思いをしたが、今回は決勝に残って6位入賞は、それは良かったかなと思います。ただ、タイムについては、前半、風が強い気がしてタイムが伸びないまま維持することになり、あがりきらず、悔しい結果となりました。まだ800m(大会最終日)もあるので、しっかり調整して臨みたいです。」と話しました。

 

 女子400m(T13)に初出場の佐々木真菜選手(東邦銀行)が出場、1分00秒17の記録でこちらも6位入賞を果たしました。今シーズン200m、400mで記録を更新し続け、3日目の200mではアジア新記録で5位入賞を果たし、この400mでも記録更新なるか注目でした。「目標は59秒台前半だったので、タイムはちょっと納得の行くものではありませんでした。1500m優勝者などがいるなか、緊張もそれほどなく、いけるかなと思ったのですが、がっかりでした。でも、スタートから50mくらいまでは全力でいき、あとはスピードを維持する。腕も下で振ることを意識できたと思います。6位という順位はまずまずかなと思っています。3年後の東京パラリンピックに向けて、さらに練習に励み、海外の上位選手との距離を縮めていきたいと思います。」と更なる成長を誓いました。

協力:星野恭子




 2006年のアッセン(オランダ)で行われた世界選手権以来(8位)の男子やり投げ(F37)に出場した秋山正輝選手(DREAM A.T)が4投目にシーズンベストとなる35m54を投げ、6位に食い込みました。「1回目がファールで2、3回目とうまく投げられなかったのでコーチから腕を鋭く振れとアドバイスを受けた。最低限の成績は残せたと思う。」と話しました。これからの目標について聞かれると「アッセンの大会に出場した選手は、今回は私以外誰もいなかった。頑張って、大井選手(今大会出場選手最高齢68歳)くらい長く競技できるように頑張りたい」とベテランは笑顔で話しました。




 三段跳び銅メダルに続いて2個目のメダル獲得が期待された芦田 創選手(トヨタ自動車)が走り幅跳び(T47)に出場。踏み切りが合わず最終跳躍の6m40にとどまり、5位の結果に終わりました。今シーズン、調子の良い状態で進んでいただけにこの結果に芦田選手は「高反発の競技場という環境に適した動きに切り替えられませんでした。僕はグリップ感を確かめながら、最後に踏み切りを合わせるところに特徴がある選手ですが、今回はスピードも出ず、踏切もしっかり踏み込むことができず軽くなってしまった。それをこの試合中に修正できなかったことが敗因です。まだまだ力不足です。7mを安定して跳べるように出直します」と話しました。




 男子400m(T54)予選に生馬知季選手(GROP SINCERITE WORLD-AC)、西 勇輝選手(野村不動産パートナーズ)が出場、生馬選手は、49秒36、西選手は49秒06で2選手共に予選敗退となりました。初出場の生馬、西選手は今大会全ての参加競技を終了しました。生馬選手は「400mはいい緊張感とともに最後まで力むことなく、自分の走りができたと思います。レースプランとしては、最初から突っ込むことでしたが、自分の課題である、マックススピードがあまり伸びず、タイムには繋がらなかったと思います。スタートは今の力でも張り合えると感じたが、世界との差は後半の持久力に感じました。そこを課題として今後取り組んでいきたいです。」と話しました。監督である松永仁志選手は「400mはまだまだ力不足。全体を通しては良い走りしていたと思うし、この経験をこれからしっかり生かしてくれればと思う」と話しました。

西選手は、「スタートで勝負が決まってしまうくらい、(世界トップ選手は)加速がすごかったです。でも、いずれは、世界の選手たちと肩を並べたいし、並べなければ行けないと思っています。また、200mで決勝に進めたことはよかったですが、100mでは立てず、悔しさが強いです。自分の課題が明確になったので、次の冬は走り込みとともに、加速の強化にも取り組みたいです。」次世代を担う若い2選手の今後の活躍に期待です。




 ノンメダルイベント(出場国、選手が少ない為)となった女子100m(T52)に初日の200m同様田中照代選手(チームTIR)、木山由加選手(エイベックス・グループ・ホールディングス)が出場し、田中選手は23秒09で1位、木山選手は25秒17で2位の結果でした。田中選手は、「同じ障害区分の若い選手がでてきてほしいし、育てていかなければならないと思っています。なにより一緒に走れたらいいですね。私もベテランとしてがんばります。」と今大会女性最高年齢選手はまだまだ競技人生に意欲を持ち続けています。

木山選手は「日本チームのメンバーが見に来てくれたのは嬉しかったです。応援してもらえるのは後押しされる気がして、400mのときより自分のレースに集中して走れました。」と話しました。最後に木山選手は「T52クラスの選手を世界的に増やして、2020年東京パラリンピックのスタートラインに立ちたいです。もちろん、自己記録も出したいですが、まずパラリンピックで種目が実施されないと立つこともできませんから。今大会2レースを(無観客で)走り、自分たち(T52クラスの選手)の存在をアピールすることが大事だと改めて思いました。もしかしたら、世界には「走りたい」と思っている子もいるかもしれない。選手の自分には走ってタイムを出し、アピールするしかありません。「自分たちの場所」をなくさないように、今できることを頑張りたいです。」と話しました。

協力:星野恭子

木山選手(左)と田中選手



 日本チームのみの参加となった4×400mリレー(T53/54)は、渡辺 勝選手(TOPPAN)、鈴木朋樹選手(トヨタ自動車)、西 勇輝選手(野村不動産パートナーズ)、松永仁志選手(GROP SINCERITE WORLD-AC)の走順で行われ、3分15秒93のタイムでした。アンカーの松永選手は「タイムは目標の日本記録更新に届かず、残念。僕のところで落としたのは少し反省点です。チーム全体としては連戦のなかで初の大舞台。国内大会での実施とは異なる緊張感と疲労感の中でのレースで、チームとしてはいい経験になったし、日本はリレーをやるぞという意思表示にもなったと思います。」と話しました。今大会、ノンメダルイベントとなった事については「他国の不参加は、正確な理由は分かりませんが、パラリンピックの削減対象種目でもあり、各国の戦略かもしれません。ただ、日本はやるぞというスタンスだけです。世界選手権で日本がリレーチームを出せたという事実は、メダルの有無にかぎらず重要な意味があるし、ナショナルチームのリレーチームがこの大舞台で確立できたかなと思います。」と話しました。また、「過去はメンバーが揃いませんでしたが、いまはT54で勢いのある若い選手たちがたくさんいるので、リレーをやらないのはもったいないです。そこに僕(ルール上、チーム編成に不可欠なT53の選手)も力を貸せたらと思っています。2020年東京大会で削減されたとしても、日本としてリレーチームは残していきたいと思っています。」リレーの必要性、存続を訴えました。各選手ともに同じ思いであり、田中照代選手、木山由加選手のT52クラス同様にこれからも日本は、メダル種目としての存続を世界に発信していきたいと思います。

各選手のコメント

1走:渡辺勝「(1カ国出場は)寂しいですね。でも、今後どうなるか分かりませんが、個人的には、リレーを続けていきたいと強く思います。リレーがあることで、間違いなくメンバーの個人種目が上がってきているし、メンバーに入るためにいい意味での競い合いや削り合いができている。その結果、西勇輝選手(3走)も、生馬知季選手(リレー補欠)も今大会で決勝に残るなど、成果がでていると思います。」

2走:鈴木朋樹「素直に、観客がいなかったのは残念でしたが、ロンドンに入ってから、皆で調整してきたことは楽しかったです。リレーメンバーとして、競争する相手がいるということはいいことです。お互いに高めあっていけるので、この空気感は素晴らしいものだなと思います。」

3走:西勇輝「走ってみて思いますが、リレーはいちばん魅力を感じます。1チームだけの参加は寂しかったですが、国内大会でもリレー種目を入れて、「日本は出るんだ」というアピールしつづけていきたいです。」

協力:星野恭子

鈴木、西、松永、渡辺(左から)
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